ネット生保 vs 営業職員制度

 ネット生保は、ローコスト経営、営業職員制度を採用している会社は高コスト経営といわれています。確かに保険料に占める営業職員の人件費部分は大きいいので、両者の保険料は大きく異なります。消費者は、当然安い保険料を求めるでしょう。

 その点が重要です。ネット生保が最近よく取り上げられますが、保険料が安かろうでも実際の保障が悪かろうでは問題です。消費者は適正に保険料が、万一の保障のために割り当てられることを一番に望んでいるはずです。ですから、営業職員の飲食費を保険料として支払うことに抵抗感があるのでしょう。その点、ネット生保の保険料には、そのような保険料部分は軽減されています。一方、人件費を少なくした結果、保障がきちんと受けられないのでは困ります。この点は商品の見分け方の項目で記述しました5つの指標のうちで5番目にとりあげました「適正な危険選択ができる会社の商品かどうか」の部分です。保険会社の見えない実力部分です。ネットなどの簡便な会社は、時に不正契約についても引き受けしやすくなります。あなたの支払った保険料が、不正を働くものの利得になることはあってはならないでしょう。したがって、ネット生保では、他の会社以上にその部分のガードが必要になります。加入がローコストで契約しやすいならば、支払いで他社以上に日数と人手を掛けた審査が必要になるはずです。この点の人件費や事務経費まで節約しているなら問題になります。

 消費者は、このような点にも充分注意する必要があります。掛け捨ての死亡保険は、保険金殺人などを目的とする不正契約のほか、病気を隠して契約する医学的な不正契約も混入しやすくなります。少数の契約でも不正契約が混入すると死亡の保険金額は大きいため簡単に会社の収益に影響します。すなわち、専門的になりますが保険料の内わけの項で説明しました危険保険料の不足による危険差損(死差損)が発生しやすくなります。つまり予定していた以上の保険金支払が発生する状況です。ネット生保の多くは、危険差益に収益源を求めている為、支払い審査の実力は会社の経営に直結します。特に発足間もない会社では存続にも影響することになります。安さを求めて契約した会社が、破綻するのでは問題です。

 結局のところ、消費者は、保険料の安さだけではなく適正な危険選択ができる会社を見抜く努力が必要になります。決して保険金の支払日数に依存したものでもありません。保険金の支払日数が短くても、支払もれのような不適切取り扱いがあっては問題です。なお、各社の約款には保険金・給付金の支払期日の上限が決められています(履行期)ので期日内の適正な支払いがおこなわれているなら問題ないでしょう。残念ながら適正な危険選択ができる会社の情報は、経済誌やランキング本には掲載されていません。今後この部分に関する役立つ情報も提供していきたいと考えています。