危険選択って何?

あなたが、疑問に思われるのは民間生命保険会社の保険(任意の保険:加入が強制されない保険)のことでしょう。

社会保険

 民間保険

 強制保険

 任意保険

 加入者の健康度チェックなし

 加入者の健康度チェックあり

 平等保険料

 健康状態応じた保険料

同じ保険と呼ばれていても社会保険とは異なります。

表は、社会保険と民間の保険を大雑把に比較したものです。

最大の違いは、民間保険では健康度に応じた保険料を負担していただく必要があります。

民間保険は、多くのお客様に支えられているので事業自体が社会公益的な性格を帯びていることは事実ですが、健康度を度外視して保険の加入を許容してしまうと会社の経営そのものが困難になり、保障自体を提供できなくなります。

要するに身体の健康度が悪い人と健康度に問題の無い方は、異なる保険料としなければなりません。当然健康度に問題のある方には、多めの保険料を負担していただく必要があるわけです。またあまりに保険料が高くなると保険自体の効用がありませんので、契約の申し込みを見合わせていただくことになります(保険業界では謝絶と呼んでいますが、不快用語との批判を受け正式には契約見わせと表現しています)。

したがって、健康度に問題(危険の存在有無の確認)があるのか、問題があるならどの程度(危険の程度の確認)かを確認することになります。このことを保険会社が行う危険選択と呼びます。

<消費者にとって危険選択は不愉快なもの>

①危険選択の必要性が充分理解されていないこと

②危険選択の実務や、危険の評価方法が理解されていないこと

③危険選択の結果に納得できないこと

保険制度の仕組みはわかりづらいですが、おそらくここに記した3ポイントのために、消費者にとって不愉快な思いや納得できない思いをされることがあるのだと思われます。

①については、上記に記した社会保険との制度の違いをよく理解していただく必要があります。

②と③について、解説しますと、危険選択で使用される医学が保険医学となります。臨床医学と異なる部分です(詳細は別の項目「保険医学って何」で解説します)。簡単に言えば、眼科の治療方法を整形外科の先生がわからないように、保険で使用される医学は、外科や内科と異なる診療科なのです。

専門的ですが、この点をわかり易く解説していくことが、当研究所の設立目的のひとつです。

<人は生まれたときから中古品>

不愉快な思いをされる方がいらっしゃれば、その点はご容赦願いたいのですが、危険選択は骨董品の目利きと同じです。骨董品の値踏みを誤ると質屋(今ではリサイクルショップでしょうか)は商売していけません。ただし、生命保険は人を対象とする点で物を対象とする骨董売買とは異なります。中古車を買ったことのある方は、自分自身で中古車の値踏みをしたはずです。事故の有無、走行距離、年式、整備状況などを評価されたのでしょう。

一方、人は生まれたときから徐々に身体を使用していますから、言ってみれば生まれてから一直線で身を削りどんどん中古品になっていくわけです。例え毎年人間ドックを受けていても中古品であることに間違いはありません。中古の状況が各人で異なっているだけです。したがって、保険会社は、加入申込者の値踏み(危険選択)をすることになります。

<最近の問題、保険販売チャネル拡大の問題>

最近、保険販売チャネルが拡大しています。テレマーケティング(電話募集)、銀行窓口販売や通信販売などです。伝統的な従来の募集体制では、危険選択の制度に対する募集人の理解がなければ販売できませんでした。少なくとも上記①に関しては、教育されていたはずです(危険選択の必要性を理解した上で悪用するような募集人が一部存在したことも事実です)。一方、新しいチャネルが急拡大する中で必ずしも危険選択への理解が募集人サイドで追いついていっていない問題があります。少なくとも、医学的な危険選択など無縁だった銀行窓口で保険を販売しているので当然といえば当然です。今後、保険会社側から、新しいチャネルへの教育充実が必須となっていくはずです。

また医学的な危険選択が簡単な商品だけ販売するチャネルと教育を受け、知識を充実させた多様な商品を販売できるチャネルとに分かれていくかもしれません。