失効しましたが、復活できますか?

保険料は原則前払い制です。保険料が支払われないと保険の効力がなくなります。つまり、失効です。失効すると給付金や保険金がもらえなくなります。

失効する基準は、約款に定められていますが、集金扱い、銀行口座引落、給与天引き、カード払いなどの保険料の支払い方法で最終の保険料支払日から失効までの期日が異なります。

失効した契約の特徴

 ・新契約と異なり一定期間契約が継続していた(一見さんではない)契約です

 ・新契約の時点よりも被保険者は歳をとっています

 ・歳が高くなった分だけ持病も増えています

以上のとおり失効する契約には、新契約と比較して特別です。また失効する理由も、多くの場合銀行口座のうっかりした残高不足です。

催告について

 催告と言ってもよくわかりませんね。失効しないように保険会社からの督促と注意喚起案内の ことです。失効するまでに保険会社は催告しています。しかし、一般の消費者の方は、なかなか保険会社の案内を見ないので、失効する方が後を断ちません。また案内の方法は、特に約款 に決めがあるわけではありません。

復活について

 復活は、一定期間内なら失効した状態を有効にできる制度です。各社で手続き方法が決められ ており、死亡保険の場合には失効から3年間復活させることができます。医療保険やがん保険などは各社が決めています。

 個人の経済状況は、時代と共に変わる可能性があります。一方保険契約は長期の契約ですから 、一時的に保険料が払えなくなることも多々あります。したがって、消費者の権利保護として 明治時代から既に約款に復活できる権利が保証されてきました。

 最近、復活できる権利を削除しようという会社もあるようですが、簡便な事務と消費者の権利 を天秤にかけ、消費者の知らない間に復活の権利をなくしてしまう考え方のようです。

 このあたりを調べてみると保険会社の企業姿勢を確認するのに参考になるかもしれません。

復活の審査

 さて、一定期間内であってもすべての契約が復活できるわけではありません。復活の場合にも 審査があります。少なくとも復活用の告知書を記載する必要があります。

 問題は、新契約に加入した時より高齢なので体況も悪くなっていることがあります。

 したがって、体況の悪化の程度によっては復活できないこともあります。

復活審査の一般原則

  ・失効の理由を審査する

  ・有効であった期間の契約状況を審査する

    何度も失効していないか

    これまでの給付の内容

  ・新契約に比較して年齢が高くなった分だけ医学的基準を緩和して審査を行う

 このようなルールが一般の原則ですが、会社によっても、商品の種類や保険金給付金の金額に よっても、個々の審査基準は変わります。

 簡単に言えば、新契約よりも復活は審査が緩和されています。

なお、一部の会社では復活の規定をなくした会社が出現しています。苦情、業務効率、復活規定の役割等を考慮して規定を削除したもと考えらます。一方、約款の基本規定は民間保険といえども社会公共性に面から消費者との合意が必要ですので、規定の削除には社会への周知が必要であると考えられます。