保険の加入には審査があるので、「妊娠」していることが問題になる場合があります。逆に問題にならない商品もあります。年金保険やがん保険は、妊娠していても加入できることが一般的です。
問題になるのは、多くの場合死亡保険と医療保険です。それぞれ分けて説明してみましょう。
①死亡保険の場合
正常妊娠中でも、多くの場合加入可能です。しかし、出産予定日に近い妊娠週数に入っている場合は、出産後の一定期間まで契約を見合わせていただく場合があります。要するに出産前および出産後一定期間は加入に制限を設定している会社が多く、その期間は会社によって異なります。お子さんの出産で忙しいのに、その最中に保険の募集行為はあるべき姿ではないからです。また、妊娠は疾病と異なりますが、出産前後は身体に異常を来たしすいことはよく知られており、保険を引き受ける上では保険会社も慎重にならざるを得ないのが実情です。制限されている期間は、多くの会社で問い合わせると公開していますので、確認をされるとよいでしょう。
②医療保険の場合
基本的に死亡保険と同様に、出産前後の一定期間について加入制限のある会社が多くなっています。また、正常妊娠中でも、その後異常妊娠や異常分娩となる可能性があるため、一定期間の不担保の条件が付与されて引受けされるのが一般的です。
(ⅰ)子宮という部位を不担保にする条件
(ⅱ)異常妊娠・異常分娩という疾病を不担保にする条件
具体的な条件は上記(ⅰ)(ⅱ)のどちらかの条件が付与されますが、会社によって条件は異なります。加入される立場からすると妊娠と関係しない子宮の疾病(たとえば子宮筋腫)も不担保になってしまうので、(ⅱ)の条件で引受けしてもらえる会社の方が有利な条件と言えます。
死亡保険も医療保険も正常妊娠は疾病ではないため、加入できる場合の条件は以上のとおりです。しかし、既に妊娠に伴う合併症や過去異常妊娠あるいは異常分娩の既往症がある場合の加入可否は、個別に審査した結果で引き受けの判断が決定されます。